防水工事の注意点は?4つの基礎工事を徹底解説ポイント

防水工事の注意点は?4つの基礎工事を徹底解説ポイント

防水工事は、ご自宅に必要なメンテナンスの一つです。業者からの提案や、すでに気になる症状がある方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、防水工事には数種類あり、耐用年数や費用相場などがそれぞれ異なります。また、そもそもご自宅のどこを施工するのかもわかりづらいものです。
さらに、曖昧な状態で業者に相談しても、その提案が正しいのかどうか不安になりますよね。

今回の記事では、そんなご自宅の防水工事について知っておいてほしい大切なポイントを中心に解説します。
特に、前半には防水施工の劣化症状を紹介しているので、ぜひ一度セルフチェックしてみて下さい。緊急性が高い症状が当てはまる場合は、本格的に防水工事を検討することをおすすめします。

【1】防水工事はなぜ必要?

防水工事の必要性をお伝えする前に、まず「防水工事」という言葉の定義について解説します。
外装リフォーム業界における「防水工事」とは、アパートやマンション、ビルの屋上、陸屋根、ベランダやバルコニーなどに施す施工のことを指します。一般住宅の屋根や外壁などを雨水から守る施工は、防水工事という言葉には含まれていません。

新築時やリフォームの際にどんな高品質な施工をしても、やはり経年劣化は免れられません。防水工事を定期的に行わないと、次第に防水性を発揮できなくなります。その箇所から雨水が入り込んで建物内部まで腐食させ、最終的には雨漏りが発生し、建物の寿命を縮めてしまうことになります。

そうなると、非常に大がかりな修理が必要になるか、最悪の場合は手遅れになることもあります。防水工事にかかる費用とは比べものにならないほど高額になるため、定期メンテナンスによって費用を抑え、ご自宅を守ります。

【2】防水工事の症状チェックポイント

防水工事のタイミングは、ご自宅の症状でもある程度わかります。もしも当てはまる症状があったら、防水工事業者に相談してみましょう。

屋上のこんな症状には要注意!

下記の症状は、表面に塗布しているトップコートが劣化し、その後シートや塗膜などにもダメージが拡がると起こり始めます。
できるだけトップコートが劣化した段階で塗り替えることをおすすめします。

  • シートの膨れ・めくれ
  • シートの目地部の浮き(うき)
  • 塗膜の表面が色あせている
  • 塗膜の小さなひび割れ
  • コケ、藻、雑草が生えている

注意してほしいのが、雑草の処理です。
雑草は、一見自分でも簡単に手入れできるように思えます。ですが、根が深い場合は防水層や建物内部を傷つける可能性があるため、業者に依頼しましょう。

防水工事の緊急性高め!早めに業者に相談を

防水工事は、専門業者の数が非常に少ない、専門性の高い分野です。誤った施工は症状をさらに悪化させたり、建物内部を傷つけたりすることもあります。
症状を発見しても、DIYはせず、業者に相談しましょう。

防水層の膨れ・破れ

防水層が膨れたり浮いたりしている状態は、下地が水分を含んでいるために起こります。屋内の雨漏りの原因にもなるので、早いうちに補修しましょう。

防水層が破れると、雨水は直接下地まで流れ込みます。すると建物内部の腐食や雨漏りがさらに進行してしまうので、早急に業者へ相談することをおすすめします。

防水層に大きなひび割れができている

屋上の防水工事は、最初に表面に施したトップコートから劣化します。その後次第に防水層にも症状が表れます。最初は細く小さなひび割れ(亀裂)ですが、やがてそれが大きくなっていきます。
下地が見えるほど大きなひび割れになると、そこから雨水が入り込み、建物内部が傷みます。
ひび割れが小さいうちにトップコートの塗り直すことで、メンテナンス費用を抑え、ご自宅の寿命も長く延ばせます。

室内に雨漏りが発生

軽度の症状が悪化すると、やがて室内に雨漏りが発生します。雨漏りは建物内部の木材が腐朽している証でもあるので、非常に緊急性が高い状態です。
修理の際には防水層と木材の両方を撤去する可能性もあるので、費用がかなり高額になります。

何よりもご自宅の寿命を縮めてしまうため、もし雨漏りが発生したらすぐに屋根修理の専門業者に相談して下さい。

【3】主な防水工事4種類!特徴・耐用年数・相場・適した場所を徹底解説

現在よく選ばれている主な防水工事4種類について解説します。
特徴や耐用年数、費用相場、適した場所、メリット・デメリットなどを紹介しているので、ぜひ参考にして下さい。

(1)ウレタン防水

工期:5~7日
耐用年数:約8~10年
費用:4,500~7,500円/1㎡

ウレタン防水とFRP防水は、塗膜防水の一種です。塗料を塗ることで防水層を形成するタイプの防水を「塗膜防水」と呼びます。

ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂で2~3mmほどの防水層を作るため、シートのような継ぎ目がなく、複雑な下地や形状の屋上、細かい箇所まで防水できる点がメリットです。
特にベランダやバルコニー、屋上などに適しています。
比較的安価で耐久性も高いので、メンテナンスの際によく選ばれる防水工事です。

デメリットは、乾燥に時間がかかるため、廊下や階段といった人が通る場所にはあまり向かないことです。
また、約10年に一度の定期メンテナンスが必要になります。

(2)FRP防水

工期:2~4日
耐用年数:約12~20年
費用:5,000~7,500円程度/㎡

FRP防水とは、「繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastic)」の略称で、ガラスマットと樹脂を重ねて防水層を形成することです。
FRPは、浴槽やプールなどにも使われるほどの耐水性があります。衝撃に強く、耐熱性にも優れているため、自動車や飛行機の構造部品にも使われています。

とても軽量で耐久性に優れているため、特にベランダやバルコニーなどに適しています。
また、硬化スピードがとても早く、ベランダのように小さな面積の場合は、約1~3日で防水工事が完了します。
デメリットは、硬くて伸縮性に乏しいため、ひび割れを起こしやすい点です。木造住宅の屋上や広い範囲の屋上などには不向きです。

(3)塩ビシート防水

工期:5~7日
耐用年数:10~20年
費用:6,000~8,000円/1㎡

シート防水は、シートを敷くことで防水層を形成するため、主に陸屋根のように平坦な屋上に使われます。
凹凸が多く複雑な形状をした屋上には塗膜防水が使われ、平らで障害物のない場合はシート防水というように使い分けられることが一般的です。

シート防水には2種類あり、一つは塩化ビニール系シート(塩ビ)、もう一つはゴムシートです。
塩ビシートは、紫外線や熱に対して高い耐久性を持っています。
ゴムシートは温度変化に強い特性を持っていますが、紫外線には弱いため、定期的なメンテナンスが必要です。

デメリットは、たった2mm程度の薄さしかないため、強風や台風などによって破れやすいことです。悪天候の後は、シートの破れがないかチェックして下さい。

(4)アスファルト防水

工期:約7日
耐用年数:約15年~25年
費用:5,500~8,000円程度/㎡

アスファルト防水は、液状のアスファルトと合成繊維で作られたシートを重ねて貼り、厚い防水層を作る防水工法です。

以前からある方法で防水性も高いのですが、非常に重量があります。また、アスファルトを火で溶かしてシートを貼り合わせることが多いため、工事の際に臭気が強いこともあり、一般住宅に使われることはほとんどありません。
主にビルやマンションの屋上(陸屋根)などに使われます。

【4】防水工事の主な施工方法2種類を紹介

防水工事には、「密着工法」と「絶縁工法(通気工法)」という2種類の施工方法があります。すでに業者の案内や検索などで目にした方もいるかもしれません。

この2つの最も大きな違いは、「防水層が下地に密着しているかどうか」です。それによってメリット・デメリットが分かれます。

これらの工法は、防水工事の種類と同じように、基本的には現在の状態を細かく確認した上で選ばれます。2つの違いについて大まかに掴んだら、専門業者に点検してもらいましょう。

(1)密着工法

「密着工法」は、下地を防水層に直接密着させる工法です。
シート防水の場合、下地に直接接着剤で貼ります。塗膜防水の場合は、下地に直接塗ります。
作業が単純なので、工期が短く、費用も抑えられます。

デメリットは、すでに雨漏りを起こしているなど、下地が傷んでいる場合にはできないことです。下地に含まれる水分の影響で、せっかく新しく施工したシートや塗膜がすぐに劣化してしまう可能性があります。

(2)絶縁工法(通気工法・通気緩衝工法)

「絶縁工法(通気工法・通気緩衝工法)」とは、下地と防水層を密着させず、防水層の下に通気層を設ける工法です。
絶縁工法の場合、最初に下地を補修し、その上に通気緩衝シートを敷きます。通気用の脱気筒を設置したら、シートや樹脂などで防水の施工を行います。

メリットは、下地の影響をあまり受けないため、下地の状態が良好ではない場合や、水分を含んでいる可能性があっても施工できることです。

デメリットは、下地に密着していないため、歩行には適していない点です。頻繁な歩行や重量のあるものを移動させる場合には不向きです。

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まとめ:防水工事の第一歩は専門業者の点検と「実績数」チェック!

今回の記事では、主な防水工事4種類や工法について紹介しました。ですが、防水工事の種類は、最終的にはご自宅の状態に合ったものが選ばれます。
特に防水層や下地などの状態が大きなポイントになるので、気になる症状を発見したら、まずは防水工事の専門業者に点検を依頼しましょう。

防水工事は、塗装業者やリフォーム業者などでも扱っていないことが多いため、「実績数」を参考に検索することをおすすめします。屋根修理業者や、雨漏り修理の実績が多い業者もよいでしょう。
まったく実績がない、あるいは実績数が少ない業者は、もう一度検討し直したほうがよいかもしれません。

しっかりした補修をせずに防水工事を行うと、すぐに防水層や下地などが劣化し、短期間でメンテナンスする必要が出てきます。ご自宅の寿命にも関係するので、ぜひ確かな実績のある業者を選んで下さい。

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